プリズム少女と数学と。
プリズム少女 ~四季には絵を描いて~ (メディアワークス文庫)
- 作者: 八重野統摩
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/07/25
- メディア: 文庫
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が、ネタ的に突っ込みを入れたくなった。
なお最初にも、また最後にも書くけどこの作品は非常に面白い作品です。
青春ミステリとして単純に楽しめる。
がここでは野暮な突っ込みを入れる。後にできる限りのフォローもするつもりであるが。
まあ要はアレです「順番が自由で算数が…」がどうかなというところです。
既に引き算や割り算で既に成立しないからね交換法則。あと、何かと話題になる掛け算の順序問題なんかでもやはり「算数で自由さ」を感じることは難しいのではないかと思うわけです。
引き算をも足し算とし加法の交換法則を成立させる、割り算も分数として乗法の交換法則が成立し感動できるのは中1ではなかろうかと思うんだよね。
ついでに鏡像文字に関する事例なんかも思い浮かんだのだけれど、俺自身は高校の時当った問題を黒板に板書する際Y軸は上だけどX軸正の方向を左に書いた図を書いて先生が唖然としていたのを覚えている。
最後に解説だった関係で次の授業で今度は普通にX軸正を右に書いて板書したけどその時に「○○くんも改心してくれて(笑い)」とおっしゃったのをまだ覚えている。
ただそれだけのイベントだったけど、ちなみに自分的には左正のX軸を書いたのは理由があったんだけどすっかり忘れてしまった汗
子供の頃はそういう変なことは一通りやっていて鏡文字は多分保育園の時、ノートを全部カタカナでとったり(提出したら先生が「読めん」ってブチ切れたのが思い出)、二重文字とか陰影をつけた文字なんてのは中学までの間に何度も流行があった。
で数学というのは、何度か書いているかもしれないけど、てか俺の考えでもあるんだけど記号学の部分が絡んでいて記号でどう現わすかという表現の部分が関わってくると思っている。
例えば3000を3Kと表しても通じる場合は通じる。
Σで表す和の表記法は知らない者には暗号にしか見えないが分かってる者には情報が圧縮された見やすい記号であるとも言える。
少し前に話題になった6÷2(1+2)の答え問題
http://getnews.jp/archives/114382
も表記法のルールの解析が前提となる。
おっとこのソースを見ると大混乱に陥るだろうからこっちも
http://dic.nicovideo.jp/a/6%C3%B72%281%2B2%29
12a÷6a=2a^2なんて答えられたら目も当てられないが、かの計算は話題としては面白い。
今回の小説で扱われた表記はシンメトリに関する部分なのでなんともだが、「こじらせる」ってのはそういうものだと思っているので上記のように突っ込んではいるがそのこだわり自体を否定することはない。
だが、「再会−K」の問題があって、これは作中で発音されていることになるが「さいかいけー」だとしたらおかしい。まさかそのままいうわけはないから「さいかいはいふんけー」だと解釈するほかはない。
そしてこの謎を解読し相手に気がつかせる際に、「数式を右から…」のセリフでとどめを刺すのだけど、上述の通り引き算まで逆に書くような思考だと実は小学校では「算数を好き」になれなかったんじゃないかなと。
この点に関しては彼女が『そのセリフの「数式」と「順番」というエッセンスから』『自力で』『彼の言いたかったことを解読した』と解釈すれば成り立つかなと思う。
つまり、彼女自身は『引き算は逆に書きません』でも『「計算」と「順番」』という鍵から真相に至ったと言う解釈で問題ないと考えるわけです。、
ということで、個人的には小学校のくだりで引き算や割り算に対する解釈をしてほしかったことと、彼女自身が「引き算は…」などのフォローを入れてくれるとより完成度がましたのではないかとかしょうもないことを考えてしまいましたが、それにしても上記のようにいろいろ考えることもあって楽しく読めたと思います。
以上突っ込み。
まあ読んでいない者には何も分からない文章となったなw…読んでても分からない汗
そりゃ感想とか解釈とかするのだからその作品を読んでからに決まっていると思っています。
で紹介するからには自分が何らかの理由で面白いと思ったものであるのは個人的理由。
まあ「面白くない」なんて書いてもしょうがないからね。
後は本格的に感想を書くに至ると、まず、プロローグが厄介ですが、基本どの作品もプロローグスルー安定の俺でした。大概の場合どうせ分かんないこと書いてあるから後で読んでしっかり確認するのが恒例になってしまっている。やはりでもちょっとウザイね汗
高校の話に入ってからは非常にまっすぐな青春ミステリで千代川さんが注目せざるを得ないキャラであり、各事件と解決もなかなか。…まあ窃盗事件の奴は解決してない気がするが全体的にうまくまとまっていて先まで読んでいくとハッとさせられること多し。
しかし桜庭良一は謎で終わってしまった。ほのめかし程度で十分なキャラだったのだろうけど主人公の名前に感心した理由が自分にはどうしてもわからず断念せざるを得なかった。
なぜそんなちょっとしたことに不満を書かざるを得ないかといえば、この作品においては結構変わった言葉がたくさん出てきているのだけど少なくとも作品中では解説するつもりがないものが多く出ているんだよね。
すぐわかるのは「ストックホルム症候群」もちろんこれはさすがに知っていたしインターネットで検索すればすぐわかる言葉であることは間違いないのだが、瞳孔が開くとは…これもなんとか自分は受け取ることができたと思うしかし、そのような速球を受けていると自分の知らないうちに豪速球を受けそこなっている可能性なんだよね。
ゆえにこの桜庭良一の発言群は考えさせられるものだったが結局何が何だか。
物語として自分は完全に玉置さんに対して感情が移っている人間でした。千代川さん関係の物語としての面白さは素直に楽しめたのだが玉置さんの扱いがあまりにもねぇ汗。
俺特有の物語に対する解釈というのはあるので(また書くことがあるかもしれない)、その観点から見れば玉置さんも例から外れないキャラなのだが、主人公は木石漢の朴念仁ではないと言っているが完全な木石漢ではあってそれなりにストレスを感じてしまった。
以上、重箱の隅をつついたりもしてますが確実に自分は楽しく読んだ口でしてこの作品は非常に良いです、という結論を書いておきます。
うん、おもしろかった。
そうそう、ちなみにですが、「感想文」とは上記の書き方でも実はまだ甘くって読んだ文章を糧に自分の話を書くものであるらしい。なぜそれを読むにいたったかの動機を書き、読むまえと読んだ後の自分を比較したりするんだそうだ。
そういう意味でじゃあ、まず動機はスルーして、読むまえと読んだ後の自分の比較としては自分の小説やら物語の読み方を再確認した気分で、やや自分に落胆したと言うところですか。