日本語と英語

http://d.hatena.ne.jp/ataualpha/20100210#1265823558
 では「頑張れ」「お疲れの出ませんように」の区別を書いたけど、もうひとつ「御苦労様」「お疲れ様」の区別がありますね。
 先の「頑張れ」は知らなくて使ってもあまり問題は出ないはずですが、「御苦労様」の方はかなり有名なので、知らずに使うとかなり危険な言葉です。
 すなわち、「ご苦労様」は「ご苦労様でした」と丁寧語をつけても目上の人から目下の人へ使うのが一般的な言葉で、「お疲れ様」は「お疲れ様でした」と丁寧語を補うことによって一般に目上の人へ使うねぎらいの言葉になります。
 ゆえに、酔ってる上司の前で、「ご苦労様でした」なんて発言したときに、いきなりブチ切れて殴られる可能性は否定できないかもしれません。


 さてところで、この「頑張れ」「お疲れ様」などは、多くの場面で使うことができるある意味メタな用語、様々な場面、様々な意味を含めて知らず知らずのうちに使っている言葉です。
 逆に言うと、決まり文句でしかなく、その言葉自体に相手に働きがける特定の意味はない言葉なのですが、他の言語でもこれらに対応したそのようなオールマイティな言葉があると思うとなかなか・・・ 
 様々な意味を込めてでもそれほど意味がない言葉、というのが実は厄介で、日本語のみで解釈する限りそのシチュエイションで発するには最も適合する言葉となることが多いのですが、外国語、さしあたって英語で考えてみるとその使われるシチュエイションに気をつけてその都度言葉を選ばないととんでもないことにさえなってしまいます。
 Do your best.
 ベストを尽くせ。がんばれ。ってな意味で覚えますが、何かを一生懸命にやってきて一息つきさてもう一度行こうという時に、「Do your best.」なんて声をかけるのはシチュエイション違い。いきなりプチっと相手が切れて、「ベストは尽くしてるよ!(I am doing my best! )」と返したくなる言葉だったりするわけです。日本語なら「おう、がんばれー」で何の問題もないのにね。
 マラソンの時や部活でも、我々は「ファイト!」って声をかけるのは普通ですが、英語のFightは文字通り戦うの意味で「戦え」「喧嘩」の意味になってしまいかなり違和感のある掛け声になります。
 まあ日本で使う分にはゴルフの「nice shot!」と同じで違和感ないですが、知ってるといろいろ楽しめますね。