目から鱗が落ちた
- 作者: 戸塚洋二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/31
- メディア: 単行本
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なぜならば、難しい最新の物理学を非常に平易に説明がなされているにもかかわらず、その内容は決して子供だましではなく真摯に書かれた内容であるからだ。
まず呼んでわかったことの羅列だけど、
実はクォークの扱いやら、電子より小さい粒子について、自分の浅学さ故であるけれどもともかくニュートリノについてよく分からなかったのだけれども、やっと一つの壁を越えられたような気がしたこと。
エネルギー問題に対する「効率」などの点からの鋭い指摘は、まあ有名な所では合ったと思うけど改めてハッとさせられたこと。
植物学に対する考察などを交え、物理学者としての正しい物の見方の一端を見せて頂いたこと。
ヴィーン(本書の中ではウィーン)の定理とレイリー・ジーンズの定理、この話は大学時代に自分が教わっていた教授が「スケールの違い」に対して他の教授と大議論やらかしたよ、という内容を聞かされたことがあったけれども、その話を懐かしく思うとともに、やっぱりプランクスゲーって子とを再認識させられたこと。やっぱ黒体輻射論は習っていた当時もものすごく面白い話だったけれども改めて面白い内容だと思うわ。
あと戸塚氏が尊敬する科学者の言葉それぞれがまたやっぱりいい言葉だと思いました。
ってことで引用の引用をさせて頂こう。この本の中には他にもいい文章が載ってるんですよ。
We often frame our understanding of what the Space Telescope will do in terms of
what we expect to find , and actually it would be terribly anticlimactic
if in fact we found what we expect to find.
ハッブル望遠鏡の推進者バコール博士の言葉だそうです。この次の言葉がまた良いんですが、引用はこれだけにしておきましょう。
[rakuten:book:13268453:detail]
この後藤武士さんという方は、この国語読解力方面の記述をたくさんやっている方だそうで、ふらりと他に買いたかった本とともに買って読んだら予想外に楽しく読めました。
国語の読解力ってことばには職業柄ずっと苦しめられていたのだけど、なんかやっと説明する指針を教えて頂いた感じの本でした。
もちろん自分は数学関連なので国語そのものを教える機会は「少ない」のですが、いざ説明するタイミングなんかが訪れてしまうと、いわゆる場当たり的な説明しか出来ず、なんというのかな、答えは分かるし自分がどこで気が付いたかも分かるからそれを「天から降ってきたかのように」しか説明できなかったのだけど、ちょっとは偉そうに説明できそうな感じがしてきました。
文藝春秋○月号に(忘却)著名人が読みたい本の中に挙げられていたことを皮切りに探した所、案の定自分の地元の本屋にもドカンと全巻入荷されたので一気に読み干しました。
「三国志全体がほぼ一巻で読める!」というのが宣伝フレーズとしては良いんじゃないかと思うけどチンギスハーンの時代まで駆け足での内容ながら、なんというかインスピレーションをわかせてくれるというか楽しい本でした。
部分部分はいろんな本で読んだ内容でもあったわけですが、並べて読むとまたちょっと違いますね。
まだ買ったばかりで全部読んではいないのですが、いわゆるものすごく難しい本です。
でもね、この日本語のタイトルは気に成ったわけですよ。
英語での題名:On the Shoulder of Giants
の方がウィットに富んで面白いのですが、この「物理」「数学」というキーワードに引っかかったから自分が手に取ったわけだし、「巨人の肩に乗って」なんて名前にしても手に取る奴手に取る奴が、ええええええって成るのは分かっているから仕方ないのかねぇ。
本の内容は式もふんだんに使うので難しい内容とも言えるけど、各分野の著名な内容をざっくりと切り抜いて扱われているので、さながら辞書のように使える本のように思えます。
更に詳しい内容は・・・インターネットで調べるなら英語必須。本を探すのは大学図書館に行ってみようって感じ。
しかし、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」をアレンジした「イボイノシシの赤ん坊は二重らせんの夢を見るか?」に対して「オランダ妻はデンキウナギの夢を見るか?」を即思いついてしまう自分は悲しいわ。
9月12日追記
だいたい読んで後書きまで言ったら、やはりタイトルの話は重要のようで訳者共々扱っていました。
結局誰が決めたタイトルなのかは分からない所がアレですが、なるほど、結構深い意図、考察が出来そうな内容で面白かったです。