日本人インフルエンザ患者
5月8日にアメリカ在住の日本人の子供が新型インフルエンザを発症した話が伝わってきた。
何だよアメリカ在住かよ、とは誰もが思う話。
が、5月9日早朝に急転する。
カナダから帰ってきた高校生ら3人が新型インフルエンザに罹っていることが発表された。
その当時の2chを見ていなかったぜ。
後追いながら7時過ぎぐらいから調べてみたら、既に「大阪」、「カナダ」、「24日から」というキーワードからほぼ高校は特定されており、かつ一部インターネットメディアから高校名の発表があって4校あった候補のうち1校に特定されるに至った。
更にこのときにカナダに行った高校生のブログは1つ発見されており、24日に羽田に着いた、5月8日夕方に手にシールを貼った写真がアップされており「引っかかった」というコメントが一言添えられていた。
これは最初の鑑定で感染者と疑われる人の周辺の人の手に貼るもので、感染者本人ではないがその付近の人であることを示していた。
舛添大臣が記者会見をする。2chでもスレを消費するが、横浜の時よりは落ち着いていた気がする。
既に感染した結果の発表だったからだろうか。
さて、2chの状況だが、既に沈静化した内容から挙げてみると、
【新型インフル】感染が確認された高校の教諭「マスクを集団でつけると奇異の目で見られる」「学校の対応は適切だった」★7
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1241921029/
DAT落ち
>同校の校長によると、学校側は急遽カナダにマスクを送り、
>着用を指示していたにもかかわらず、
>感染が確認された男性教諭(46歳)が「周囲から浮いてしまう」と判断、
>生徒らは着用していなかったという東寝屋川高校の男性教諭(46歳)は自業自得
その上 体調不良なのに大リーグ観戦までした
その上 既に高熱なのに機密性の高い飛行機でさっさと帰国(機内でもマスクせず)
その上 飛行機を降りちゃって人ごみに紛れた高校生は検疫官に追い掛けられ捕まってから申告
その上 周りの乗客は10日間税金でホテル泊(同行の東寝屋川高生含む)
その上 ウィルス持ち込んだ感染者3人は病院で適切な治療を受け回復へ向かう
その上 2泊3日オタワ小旅行をして「ハードロックカフェ」で朝食2回が判明
その上 4人目(男子高校生)感染発覚!
その上 税金でヒルトン成田の4フロアを借り切り昨夜は税金でビーフステーキ
その上 ホテル待機の高校生達が「暇だからパソコンが欲しい」ので購入を検討
その上 ホテル待機の高校生達から「携帯の充電器が欲しい」(荷物が関空行きのため)
このコピペを執拗に貼っていた者がいたが・・・この内容はいささかチェックを必要としている。
その上 既に高熱なのに機密性の高い飛行機でさっさと帰国(機内でもマスクせず)
高校生は現地で風邪を発症したが医者に見てもらってインフルエンザではない確認を取った(その後日本で新型インフルエンザ発症を確認)、これは問題なかったのだが、引率の教師は前日に熱を発症したが医者に診られることなく飛行機に乗って帰ってきた。
実際この引率の教師が38度の熱を発症しており一番重い症状をしていた。
この点は、かなり叩かれても仕方のないところだと思う。
その上 飛行機を降りちゃって人ごみに紛れた高校生は検疫官に追い掛けられ捕まってから申告
このおかげで、現在は国際問題化しかねない状況になっているのはともかく、軽率な行動は慎んで欲しかった。
その上 2泊3日オタワ小旅行をして「ハードロックカフェ」で朝食2回が判明
このあたりは調べきれなかったので信じてない。
その上 ホテル待機の高校生達が「暇だからパソコンが欲しい」ので購入を検討
その上 ホテル待機の高校生達から「携帯の充電器が欲しい」(荷物が関空行きのため)
パソコンに関しては貸し出しを検討みたいだけどね。
下は許してやれ。
実際、かなり暇なようだ。
ゲームの差し入れというのも後々禍根を残すかもしれないし・・・、悩ましいところだよね。
娯楽はきちんと用意しておかないと、こんな情報垂れ流されたら隔離から逃げたく成っちゃうよ。
インフルエンザ論争
学校の発表「マスクを現地で付けなかったことなど」を含めて「適切な判断」と発表したことが炎上していた。
- そもそも危ないと言われていた時期に海外研修とか(24日時点ではカナダはそんなに危ない報道はなかった)
- 「現地でマスクをしている人がおらず、集団でつけていると奇異の目で見られると思い、着用させなかった」の発言の是非
- 「残念な結果だが学校の対応は適切だった」発言の是非
まずこれらが第一反応。
自分の見解としてだが、「適切だった」発言は大きな失言だったと思っている。(後述)
海外研修は今考えると地雷原に行くみたいなものだという感覚だが、24日現在ではカナダでの発症はごくわずかだったので仕方がないとは思っている。
現地で「マスクをはめない」選択肢、観光スポットに行く予定だったのは別にかまわないが「人混みに行く」、まして「奇異に見られる」程度の理由で防護を怠った辺りは非難されても仕方のない立場だったと思う。
ただし、別に引率の教師だけが引き受ける失態だったとは思っていない。
後に週刊ゲンダイが記事にした話を出すが、「マスクをするのは日本人ぐらいだ」的な、防護策をとっている人を揶揄して馬鹿にしたり、ま、記事的には政治批判をしているんだけど、そういう意識を植え付けていたマスコミの責任などは大きかったと思う。
「適切」発言は、状況認識が甘いとしか表現できない。
で、ともかくこれらを軸に様々な論が繰り広げられる。
まずマスク論争
- マスクなんかしても同じだろ
- 海外で奇異に見られようとマスクぐらいしろよ
- アメリカなんかだと顔を隠していると判断されると危ない
- マスクに感染予防効果なんかないよ、ソースは・・・
- 海外のソースなら信用するのか
- マスクの予防効果は、日本のような密集環境では・・・
- マスクの効果なんか疑似科学だぜ
ってな話。
【ゲンダイ】新型インフル「マスクしているのは日本人だけ」…メディアは騒ぎ過ぎ、麻生政権に踊らされてる大マスコミは目を覚ませ★5
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1241970208/
あたりでは、まあ対決姿勢ですが、ゲンダイ批判なんかにも発展。
【新型インフル】 「高校生ら感染…なぜマスクを徹底しなかったんだ!」 府教委に批判の声…橋下知事「怒りは解るが…」★4
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1242003254/
なんかでもまあ話は循環しているんですが、マスクの予防効果感染率1/4等のソースも提示される。
ま、個人的な考えだけど、「疑似科学」という言葉は非常に重く、「マスクの予防効果」「マスクの有効性の低さ」は基準の違いや科学的な根拠はどうしても薄弱なために、どちらを信じるのも「疑似科学」に近いものではないかと思っています。
ただ、一方が一方を馬鹿にする状況は明らかにおかしい。
んでもって、マスクの最大の効果である「感染者が飛沫を飛ばさないようにする効果」は非常に有効であり、「マスクを付けない方が良い」等の論はおかしいと思わざるを得ないわな。
ただ、WHOその他、マスクには一定の予防効果を認めていることは特筆しておこう。
マスクなんかする必要なし!と断ずる理由はないな。
責任問題
- 引率の教師&コーディネーターの責任
- マスク50枚じゃ足りないだろ
- こんな偏差値の低い奴ら・・・
- 単なる観光じゃん
- また大阪か
偏差値・偏差値・観光についてはまあネタ扱いで良いだろう。
マスクの数が少ないというのは、確かにマスクの理想的な使用法を考えれば明らかに足りない。
引率の話としては、やはり「マスクをしない」選択をした理由の話は既に扱ったが、マスコミ、および彼らへの周知の徹底が甘かったというのが自分の考え。
まず、マスコミに限らない話だが、一つの方向に一気に向かった後、その方向性を腐す、という論法は誰もが大好きである。
「詳しくも知らないのに、踊らされやがってププ!」
ってな、斜に構えて自分だけ正しいって立場は、俺も含めて好きだからねぇ・・・
でも今回は、海外での防護を馬鹿にするコメントが問題だったように思う。
初期に流れた「日本は異常」発言を垂れ流したり、ゲンダイのように「アメリカ人は付けていない」→「付けている日本人は異常」とか。
あ、それでも、しっかりと海外に行く奴らに意識付けを出来ていれば良かったと思うんだ。
横浜で感染者が出るか、という騒動の時にわかったはずなのだ、自分たちが第一発症者となったときに起きうるバッシングが。
それを甘く見た日本にいた教育関係者の責任は非常に重いと感じる。
- 日本に、新型インフルエンザに罹って帰ってきたら、海外でどのような行動を取っていたかは当然追求される。
- 感染者に対する報道合戦が起きることは容易に想像できる。
- 海外の行動に隙があった場合当然バッシングが起きる。
- 予防を怠っていたことが示されれば責任を追及されうる。
- さらに、彼らが日本に持ち込んでしまい、日本で感染者が増殖してしまった場合、その責任の所在がどこに行くのか。
それらを、早急に考える必要があり、日本にいれば誰でも解ることだったと思うのだが、明らかに認識が甘かったと自分は思う。
更に、マスクを送ったなら着用を徹底させる義務、方法を指示する必要があった。
- 四六時中マスクをしていても無意味。
- 一つのマスクを何日も使うなどは論外
- マスクを付けていることに対し不利益が被る場合の対処法
特に「奇異に見られるから」→「日本にインフルエンザを持ち込むわけにはいかないので」などの当然の対応を示す返事を用意するとか、入場の際、マスク着用が断られた際の対応とか、机上でもいろいろとやることがあったはずなのにそれが出来なかったのは痛い。
引率教師の一番の失態は風邪を引いて熱を発症しながら医者に罹らなかった→そのまま飛行機に乗ったことだろう。
学校なんて、そもそも病気の感染が広がりやすい環境を取り扱っている者がこのような杜撰な行動はちょっと情けない。
以上「適切だった」とは言い切れない理由である。
ただ、今回の処置は「弱毒性」と言うこともあって、今後起きるであろう鳥インフルエンザH5N1を想定した予防の演習とも言われている。
その意味では様々な問題点がわかって良かったのではないかと思う。
ま、感染者も命の別状無く快方に向かっていると言うことだし。