日常の話でもないんですが、日常分類。


 ずばり、子どもを育てる環境は都市部か田舎かどちらがよいか、を自分なりに考えてみました。
 参考文献無し、ソースは知り合いの話を聞いたことぐらい。


 都市部で子どもを育てるか、田舎で子どもを育てるか、そんな2択であったとき、しかも自分の仕事の話は関係無しで、という条件付きであるとしたら、8割がたの人が「田舎」と答えるでしょう。
 ええ、意外性もなく自分もそうだと思っています。


 問題はその理由です。
 田舎は自然があってのびのびと育つ、都会は悪いものがいっぱいあって・・・


 そんな単純な理由で納得できますか?


 いやまあ、悪い理由でもないのでそれで納得できることも多いわけだけど、そんなこと今更書いたって面白くもないでしょう。ちょっと視点を変えた見方です。


 まず、田舎と都会で、子どもにとっての違い、この場合子どもというのは小学生程度以上を想像してください、家を出て、いろんな場所に行けるようになった子ども。
 当然行ける場所は田舎と都会では、違うでしょう・・・


 自然?


 んー、田舎と都会を想像したときに、ステレオタイプイメージはもちろん山、田んぼ、畑!豊富な自然、対抗してスクウェアジャングル車イパーイ・・・、まあそりゃあそうなんですけど、正直、そんな場所で子どもを育てるメリットはあるでしょうけど、現代の大人達にとっては厳しいことでしょう、山道をガンガン行かないと・・・なんてところで暮らすなんて言うのは子どものためといいながら、そりゃああまりにもリスクが大きすぎます。
 現実的ではない。


 ところが、ちょっと視点を変えるとそこら中田舎だらけにもなります。
 って思いっきり定義をずらしているんですけどね。
 自然に関しては、必然的に多くなってしまうのですが、こう定義してしまうのです。交通の便が良くないところを田舎と考える。


 大人が都会で住むメリットは何か。そりゃもう仕事がたくさんあるとか、交通機関が発達しているとか、とにかく「便利」、コレに尽きるのです。
 当然我々が住む場所を考えるときに最初に考慮に入れることは便利さです。
 田舎で住むと言うことは、その便利さをある程度犠牲にすることを意味します。それは自然環境云々とはまた違った問題なのです。


 この便利と不便こそ子どもを育てる際のポイントでして、実は、不便な場所で子どもを育てた方がいいんです。
 その不便さも度合いがあると思いますが、どのぐらい不便であればいいかといえば、さしあたって交通機関があまりない陸の孤島、出来れば電車もバスも微妙に遠くて、自家用車でしか移動できない場所に都会的なものがたくさんある、そんな環境で十分です。
 たったそれだけの不便さならどこのベッドタウンだって持っていると思いますが、そのように不便なベッドタウンだからこそ、子どもを育てるときに面白い効果が出てくるのです。


 まず、行動範囲が広くなるので、歩きや自転車での移動距離が大きく健康的。
 正直、愛知県一宮市は都市に分類されますけど、こういう不便さがまかり通る場所でして、中学生達の自転車の行動範囲なんてのはものすごいものがあります。
 俺も片道8kmを自転車で通学していましたが、だいたい半径12kmは余裕ですね。健康的だとマジで思います。


 次が面白いのですが、必然的に親子の結びつきが強くなる。
 思いも寄らないところで思いも寄らない効果が出るものですが、岐阜の山奥に住んでいる子ども達の話を聞いて「なるほど!」と手をたたいた効果がそれでした。
 マジで山の中に住んでいると、いわゆる日用雑貨でちょっと珍しいもの、あるいはおもちゃなどが必要になると、どうしてもお父さんお母さんの車でやれ、高山だ、富山だに出ないと手に入らないものがあるのだそうです。
 だから、子どもにとって日曜に車を出してくれる親という存在が常に意識されるんです。
 それは交渉事になりますし、ある程度の敬意を払うことになる、何より車に一緒に乗る時間にコミュニケーションがとれる、コレが非常にでかい。


 対比して都会に住んでしまうと、ほしいものがあれば「自分で」ほしいものを探してお金を払って買ってきてしまえば済みますし、日曜だからと言って遠出をしようと言う理由が薄いんです。
 子どもが小さな頃などは、電車やバスを経由して遊園地に連れて行ったりすることができますが、そのうち友達同士で行くようになりますし、親の存在価値が少し減っているんですね。
 これでちゃんと子ども達とうまくコミュニケーションをとれる大人ならいいんですが、うまく時間を取ることをしないとどんどん接触が少なくなっていくものです。


 何となく田舎と都会の違いを考えると面白いですよね。