NHK杯ダニーvs森内戦

 泥試合だったな。
 もちろんその一つ一つは、プロの職人芸的な指し手で、俺が代わりに指したら、どっち側を持ってもあっさり負けるであろうこともわかる。
 そのぐらい高度なやり取りだったことは間違いないが、全体的なイメージは芳しくなかったな。


 ダニーこと糸谷五段は・・・なんか変な評判があるなぁ。
 大阪大学棋士になってから入学するという秀才。妙な反則負けをしたというのが有名なんだけれども、将棋界に対して「斜陽産業」といったとか言わないとか。
 なんだかなー。
 強豪として名をとどろかしており、奨励会時代の先輩橋本七段通称ハッシーにして「強すぎる」と言わせたほどらしい。



 一方森内九段は十八世永世名人。パネルクイズ25にも何度か出場したことがあるとか、細かいネタながら論理的・公平性などゲーム論的な要素になかなか強い御人。
 羽生の先手確率が多いという話を聞いて振り駒の確率をしらべたり、対戦前から戦形をある程度調べて研究をそのまま使い序盤にほとんど使わなかったり、非常に合理的な逸話が多いようである。
 「あ、負けました」がよく聞こえる=2chでは超有名なネタ扱い、カレー投了あたりは面白い話の一つ。
 先頃の竜王戦で4タテくらって負けた時にはちょっとがっかりしましたが、これで落ちていくような人じゃないと思うのでまた鉄板流の真髄を見せてくれるだろう。
 さしあたって渡辺竜王には一矢報いてほしい。


 将棋は森内九段が時間に追われてまさに王手は追う手、ダニーに入玉されて終了した。
 ダニーの的確な指し回しが光った一局と言えるでしょう。
 でも最初に申した通り、渋い手のオンパレードでピカッと光る面白さに欠けました。